上映作品・近日上映作品

想像と創造

「無名」 上映中 5月16日(木)まで

【トニー・レオン&ワン・イーボー  2大スター共演のスパイ・ノワール】

「花様年華」「インファナル・アフェア」などの香港の名優トニー・レオンとテレビドラマ「陳情令」でブレイクした中国の若手俳優ワン・イーボーが共演し、第2次世界大戦下の上海で暗躍する中国共産党・中国国民党・日本軍のスパイたちの攻防をスリリングに描いたノワールサスペンス。

1940年代の上海を再現した壮麗な街並み。スタント無しのアクションで迫力の対決シーンを演じたトニー・レオンとワン・イーボーの圧倒的な緊張感と比類なき美しさに目を奪われる。本作は中国映画界最高の賞とされる第36回中国映画金鶏賞において最多の8部門にノミネートされ、トニー・レオンが最優秀主演男優賞に、チェン・アル監督が最優秀監督賞・編集賞に輝いた。

スパイ同士がしのぎを削る心理戦の応酬。信頼と裏切りの果てに待つものとは……。激動の時代を背景に描く、麗しくも哀しき宿命のドラマがいま、始まる。

〈STORY〉
中国・汪兆銘政権の政治保衛部に所属するフーは、中国共産党の秘密工作員だった男ジャンの身辺調査を行う。フーは中国国民党に転向するというジャンから共産党幹部の情報を聞き出すことに成功する。1941年、上海に駐在する日本軍スパイのトップ・渡部は、政治保衛部の主任となったフーやその上司タンと日本料理店で戦局について話す。フーの部下として働くイエは、友人ワンとともに諜報活動に従事していたが……。

出演:トニー・レオン、ワン・イーボー
監督・脚本・編集:チェン・アル

2023年製作/131分/中国
原題:無名 Hidden Blade
配給:アンプラグド

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「リンダはチキンがたべたい!(吹替版)」 上映中 5月16日(木)まで

【最高級のフレンチコメディが豪華吹替キャストでキネマに上陸!】

舞台はフランスのとある郊外。主人公リンダと母ポレットのチキンをめぐる大騒動と亡き父の記憶を描く物語。
本作の監督・脚本は気鋭の映画作家キアラ・マルタ(『Simple Women』)とアニメーション作家セバスチャン・ローデンバック(『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』)。夫婦であるふたりがタッグを組み、鋭く繊細な実写映画的演出と、描線の筆遣いが活き活きと残されたワイルドで大胆なアニメーションで、唯一無二の映画体験を贈る。
カラフルでスウィートな映像、笑いと涙のあいだを自由自在にかけめぐる物語、そしてなにより登場人物たちの爆発的に愛らしいアナーキーな魅力が前代未聞のレベルで掛け合わさった、大人から子どもまで誰もが楽しめる“史上最高級”のアニメーション・コメディ!

〈STORY〉
リンダが1歳のときのかすかな記憶――。ママのお気に入りの指輪と、パパが作ったパプリカ・チキン。とっても幸せな食卓だったのに、パパが突然消えてしまい、いまは少ししか思い出せない。8歳になったリンダは、ママとふたり暮らし。ある日、憧れの指輪を盗んだとママに勘違いされてしまう!間違いだとわかったママは償いのためになんでもすると言う……リンダは言う、「明日、パパのパプリカ・チキンがたべたい!」

吹替キャスト:落合実結子、安藤サクラ、リリー・フランキー
監督・脚本:キアラ・マルタ、セバスチャン・ローデンバック

2023年製作/76分/フランス
原題:Linda veut poulet!
配給:アスミック・エース


「ハッピー・オールド・イヤー」 上映中 5月16日(木)まで

【“カンニング”の次は“断捨離” 共感度MAXムービー!】

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(17)のサプライズヒットも記憶に新しい気鋭の映画製作スタジオGDH559と、同作の主人公“リン”ことチュティモン・ジョンジャルーンスックジンが再びタッグを組み、またもや斬新な切り口で放つ注目作。第15回大阪アジアン映画祭でグランプリ(最優秀作品賞)を受賞した。
「この家にはモノが多過ぎる!全部捨ててやる!」と断捨離を敢行するヒロインが、その途上で家族、友人、元カレとその今カノを巻き込んで展開する、誰にも身に覚えのあるエピソード満載の共感度MAXムービー!

〈STORY〉
タイ・バンコク。スウェーデンに留学していたデザイナーのジーンは、帰国後、自宅のリフォームを思い立つ。かつて父が営んでいた音楽教室兼自宅の小さなビルを、北欧で出会った“ミニマルスタイル”なデザイン事務所にしようというのだ。
家じゅうに溢れかえるモノを片っ端から捨てて “断捨離”をスタートさせるジーン。雑誌や本、CDを捨て、友人から借りたままだったピアス、レコード、楽器を返して回る。しかし、元恋人エムのカメラ、そして、出て行った父が残したグランドピアノは捨てられず…。果たしてジーンはすべてを断捨離し、新たな気持ちで新年を迎えることが出来るのか?

出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、サニー・スワンメーターノン
監督:ナワポン・タムロンラタナリット

2019年製作/113分/タイ
Happy Old Year
配給:ザジフィルム、マクザム

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「アザー・ミュージック」 上映中 5月16日(木)まで

【伝説のレコードショップOTHER MUSICを追いかけた21年間】

2016年5月、世界中の音楽ファンに激震が走った。ニューヨーク、イースト・ヴィレッジにあるレコードショップが閉店するという。このニュースを知り駆けつけたのは、店のスタッフと客として出会い、やがて夫婦となったドキュメンタリー作家コンビ、プロマ・バスーとロブ・ハッチ=ミラー。2人は、この店の知られざる歴史をdigり始める──。

1995年、アルバイト先のレンタルビデオ屋で知り合ったジョシュとクリスが、店を立ち上げた。巨大チェーン、タワーレコードの向かいにあるから、「アザー・ミュージック」。続々と、クセモノ揃いの愉快なスタッフが加わっていく。

2001年のNY同時多発テロとiTunesの誕生、03年のタワーレコードの倒産など、時代の大きなうねりに翻弄されながらも、「別」の道を模索し、抵抗し続けた奮闘の日々。その最中で、アーティスト=場所=カスタマーの双方向的なコミュニケーションによって、歴史的なシーンが次々に生まれていった理想的なコミュニティは、いかにして形づくられたのか。そして、店員や常連客にとって”家”だったような場所がなぜ失われるに至ったのか……。これは、「その他」であることを、控えめに誇りながら、「もうひとつ」の可能性を追い求め足掻き続けた異人たちの、哀しく美しい、世界にたったひとつの青春群像物語。

出演:マーティン・ゴア、ジェイソン・シュワルツマン、ベニチオ・デルトロ、小山田圭吾 他
監督・製作・撮影:プロマ・バスー、ロブ・ハッチ=ミラー

2019年製作/85分/アメリカ
Other Music
配給:グッチーズ・フリースクール

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「プリシラ」 5月17日(金)より上映
特集【時代を牽引する女性監督が繊細に描く“運命”】

【ソフィア・コッポラ最新作!エルヴィスと恋におちた14歳の少女】

数々の賞に輝く映画監督、そしてファッション・アイコンとして世界に注目されるソフィア・コッポラ。その最新作は、エルヴィス・プレスリーと恋に落ちた少女プリシラがたどる魅惑と波乱の日々を、プリシラの視点で繊細に美しく描く物語。主演を務めたケイリー・スピーニー(『パシフィック・リム:アップライジング』)は。夢見る少女から意志を持つ大人の女性へと変化を遂げるプリシラの姿を見事に演じ分け、観る者を魅了する素晴らしい演技は、ベネチア国際映画祭最優秀女優賞を受賞、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)にもノミネートされるなど高い評価を得ている。プリシラだけが知るエルヴィスのプライベートな側面を演じたのは、ジェイコブ・エロルディ(「ユーフォリア/EUPHORIA」シリーズ(TV・19~))。魅力的で華やかで、アーティストとしての葛藤と傷つきやすい心を抱えた、恋人エルヴィスを好演した。シャネル、ヴァレンティノによる衣装が彩る華やかな恋に隠された孤独。美しく精巧な美術や、Phoenixによる音楽が、60~70年代の空気を伝える。全米ではA24が公開、そのファッション性と話題性で多くの女性観客を魅了し、『ロスト・イン・トランスレーション』、『マリー・アントワネット』に次ぐ大ヒットを記録している。

〈STORY〉
14歳のプリシラは、世界が憧れるスーパースター(エルヴィス)と出会い、恋に落ちる。彼の特別になるという夢のような現実…。やがて彼女は両親の反対を押し切って、大邸宅で一緒に暮らし始める。魅惑的な別世界に足を踏み入れたプリシラにとって、彼の色に染まり、そばにいることが彼女のすべてだったが…。

出演:ケイリー・スピーニー、ジェイコブ・エロルディ
監督・脚本:ソフィア・コッポラ

2023年製作/113分/アメリカ・イタリア合作/PG 12
配給:ギャガ

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「ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター」 5月17日(金)より上映(2K上映)
特集【時代を牽引する女性監督が繊細に描く“運命”】

【映画賞総なめの不朽の名作が30年の時を経て、リマスターで蘇る】

1993年、ジェーン・カンピオンの名前が一夜で映画史に劇的に刻まれた。ヴィム・ヴェンダース、ケン・ローチ、マイク・リー、ホウ・シャオシェン、スティーヴン・ソダーバーグと錚々たる巨匠&奇才の新作が競い合うカンヌ国際映画祭のコンペティションで、女性監督初のパルム・ドール受賞を成し遂げたのだ。2021年には『パワー・オブ・ザ・ドッグ』でアカデミー賞監督賞に輝いたカンピオンの最高傑作『ピアノ・レッスン』が今、4K映像によって繊細かつ壮麗に蘇る。
ホリー・ハンターが演じた主人公のエイダは、近年大きな共感を呼んでいる、抑圧や生きづらさから解き放たれ、ありのままの自分を肯定し「私」らしい生き方と幸せを探すヒロイン像の原点。本作で名声を得たマイケル・ナイマンによる、秘めた情熱が香り立つ哀切なピアノ曲「楽しみを希(こいねが)う心」、エイダの激しい想いと彼女が自ら切り開く運命の物語が、観る者の心に永遠に刻まれる、感動を超越した映像体験。

〈STORY〉
19世紀半ば、ニュージーランドの孤島。エイダ(ホリー・ハンター)は父親の決めた相手と結婚するために、娘のフロラ(アンナ・パキン)と1台のピアノと共にスコットランドからやって来る。「6歳で話すことをやめた」エイダにとって、ピアノは声の代わりだった。ところが、夫になるスチュアート(サム・ニール)はピアノを重すぎると海辺に置き去りにし、先住民との通訳を務めるベインズ(ハーヴェイ・カイテル)の土地と交換してしまう。エイダに惹かれたベインズは、ピアノ1回のレッスンにつき鍵盤を1つ返すと提案する。渋々受け入れるエイダだったが、レッスンを重ねるうちに彼女も思わぬ感情を抱き始める――

出演:ホリー・ハンター、ハーヴェイ・カイテル、サム・ニール、アンナ・パキン
監督・脚本:ジェーン・カンピオン

1993年製作/121分/オーストラリア・ニュージーランド・フランス/R15+
配給:カルチュア・パブリッシャーズ

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「パスト ライブス / 再開」 5月17日(金)より上映
特集【時代を牽引する女性監督が繊細に描く“運命”】

【アカデミー賞 作品賞ノミネート!大人の傑作ラブストーリー】

大人のための、最高に上質な恋愛映画が誕生した。
本年度賞レースの幕開けを飾るゴッサム賞では作品賞を受賞!ゴールデン・グローブ賞では作品賞含む主要5部門にノミネート。映画レビューサイトのロッテントマト98%の高評価を獲得し、海外メディアの年間ベスト映画にこぞって選出されるなど、米国アカデミー賞®最有力として大きな期待と注目を集めている。※2023.10.2時点
物語のキーワードは「運命」の意味で使われる韓国の言葉“縁—イニョン—”。見知らぬ人とすれ違ったときに、袖が偶然触れるのは、前世—PAST LIVES—でふたりの間に“縁”があったから。登場人物たちが想いを巡らせるいくつもの「もしも…」が、観客一人ひとりの人生における「あの時」の選択に重なり、“忘れられない恋”の記憶を揺り起こす。そして迎えるエンディングは、現世で運命の人とめぐり逢うことの奇跡と儚さに、胸が高鳴り、涙がとめどなく溢れるだろう。

〈STORY〉
ソウルに暮らす12歳の少女ノラと少年ヘソン。ふたりはお互いに恋心を抱いていたが、ノラの海外移住により離れ離れになってしまう。12年後24歳になり、ニューヨークとソウルでそれぞれの人生を歩んでいたふたりは、オンラインで再会を果たし、お互いを想いながらもすれ違ってしまう。そして12年後の36歳、ノラは作家のアーサーと結婚していた。ヘソンはそのことを知りながらも、ノラに会うためにニューヨークを訪れる。24年ぶりにやっとめぐり逢えたふたりの再会の7日間。ふたりが選ぶ、運命とはーー。

出演:グレタ・リー、ユ・テオ、ジョン・マガオ
監督・脚本:セリーヌ・ソン

2023年製作/106分/アメリカ・韓国
配給:ハピネットファントム・スタジオ

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「かくしごと」 6月7日(金)より上映

【その嘘は、罪か、愛か ひとつの嘘から、運命の歯車が動き出す】

『生きてるだけで、愛。』(18)で鮮烈な長編監督デビューを飾った映像クリエイター、関根光才の待望の長編第二作目となったのは、杏を主演に迎えた、子を守る母親の強烈な愛と嘘の物語。原作は「ミステリー作家が描く感動小説」として評価も高い、北國浩二の「噓」(PHP文芸文庫)。主人公・千紗子役に、ドラマ、映画、モデルと幅広く活躍する俳優、杏。「今の自分だからこそ演じることができる」と、その深い母性を芝居を超えて体現し、鮮やかに観る者の心に焼き付ける。父・孝蔵役には、名優、奥田瑛二。認知症を患い、娘のことすら忘れ、日に日に別人のように衰えてゆく姿を、静かながら胸に迫る演技で圧倒する。少年役に中須翔真、さらに佐津川愛美、酒向 芳、安藤政信といった実力派俳優が脇を固める。主題歌は、TVアニメ『呪術廻戦』「渋谷事変」のエンディングテーマも話題になったオルタナティブロックバンド 羊文学の「tears」。人の目も社会も関係なく、子への揺るがない愛を貫き通す千紗子の深く激しい母性をあなたは受け入れることができるか─。心揺さぶるヒューマン・ミステリーが誕生した。

〈STORY〉
絵本作家の千紗子(杏)は、長年絶縁状態にあった父・孝蔵(奥田瑛二)が認知症を発症したため、渋々田舎に戻る。他人のような父親との同居に辟易する日々を送っていたある日、事故で記憶を失ってしまった少年(中須翔真)を助けた千紗子は彼の身体に虐待の痕を見つける。少年を守るため、千紗子は自分が母親だと嘘をつき、一緒に暮らし始めるのだった。 次第に心を通わせ、新しい家族のかたちを育んでいく三人。しかし、その幸せな生活は長くは続かなかった─。

出演:杏、中須翔真、佐津川愛美、酒向芳、安藤政信/奥田瑛二
監督・脚本:関根光才
原作:北國浩二「嘘」

2024年製作/128分/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ

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「アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家」 6月21日(金)より上映

【『PERFECT DAYS』ヴィム・ヴェンダース監督最新作!】

戦後ドイツを代表する芸術家であり、ドイツの暗黒の歴史を主題とした作品群で知られるアンゼルム・キーファーの生涯と、その現在を追ったドキュメンタリー。監督は、『PERFECT DAYS』(23)で第76回カンヌ国際映画祭 主演俳優賞(役所広司)を受賞し、第96回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたことも記憶に新しい、ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース。『パリ、テキサス』(84)、『ベルリン・天使の詩』(87)、『ミリオンダラー・ホテル』(00)などの劇映画だけでなく、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(99)、『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(11)、『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』(14)などドキュメンタリーも手掛け、世界各国から高い評価を受けてる。

アンゼルム・キーファーは、ナチスや戦争、神話などのテーマを、絵画、彫刻、建築など多彩な表現で壮大な世界を創造する、戦後ドイツを代表する芸術家。1991年、高松宮殿下記念世界文化賞・絵画部門を受賞。ヴェンダース監督と同じ、1945年生まれであり、初期の作品の中には、戦後ナチスの暗い歴史に目を背けようとする世論に反し、ナチス式の敬礼を揶揄する作品を作るなど“タブー”に挑戦する作家として美術界の反発を生みながらも注目を浴びる存在となった。1992年からは、フランスに拠点を移し、わらや生地を用いて、歴史、哲学、詩、聖書の世界を創作している。彼の作品に一貫しているのは戦後ドイツ、そして死に向き合ってきたことであり、“傷ついたもの”への鎮魂を捧げ続けている。

出演:アンゼルム・キーファー、ダニエル・キーファー、アントン・ヴェンダース
監督:ヴィム・ヴェンダース

2023年製作/93分/ドイツ
配給:アンプラグド

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「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」 近日上映

【若松孝二監督のミニシアターと引き寄せられた若者たちの青春群像!】

映画を武器に激動の時代を走り抜ける若者たちを描いた『止められるか、俺たちを』から10年後。1980年代、若松孝二監督が名古屋に作ったミニシアター『シネマスコーレ』を舞台に、若松監督、映画と映画館に引き寄せられた若者たちを描いた青春群像劇。
若松孝二を演じるのは、前作に引き続き井浦新。若松の役年齢と井浦の実年齢が重なり、ヤンチャさに温かな包容力が加わり、さらにパワーアップ。木全純治は、このところ新境地を開拓し続ける東出昌大。掴みどころのない茫洋とした人物を見事に演じている。金本法子には芋生 悠、井上淳一には杉田雷麟。ともに自意識と自信のなさで揺れ動く青春期の感情を繊細に演じ、魅力全開。他にも、コムアイ、有森也実、田中要次、田口トモロヲ、門脇麦、田中麗奈、竹中直人など豪華キャストが集結。あの時代の空気を見事に体現している。
監督は前作では脚本の井上淳一。『REVOLUTION+1』『福田村事件』などの脚本作品とは打って変わり、思いっきり笑えて泣ける青春映画を作り上げた。自由なようでいて不自由な今、この映画は時代を超えた応援歌だ。

〈STORY〉
1980年代。時代も人も変わった。シラケ世代と言われ、熱くなることがカッコ悪いと思われていた時代。ビデオが普及し始め、映画館から人々の足が遠のき始めた時代。それに逆行するように、若松孝二は名古屋にミニシアターを作る。その名はシネマスコーレ。ラテン語で「映画の学校」。支配人に抜擢されたのは、結婚を機に東京の文芸坐を辞め、「これからはビデオの時代」と地元名古屋でビデオカメラのセールスマンをやっていた木全純治だった。木全は若松に振り回されながらも、持ち前の明るさで経済的危機を乗り越えていく。 そこに吸い寄せられる若者たち。まだ女性監督のほとんどいなかった時代。金本法子は「自分には撮りたいものなんか何もない」と言いながら、映画から離れられない。田舎の映画青年だった井上淳一もまた映画監督になりたい一心で若松プロの門を叩く。己れの才能のなさを嫌でも自覚させられる日々。それでも、映画を諦め切れない。救いは、木全が度々口にする「これから、これから」という言葉。 今がダメでも次がある。涙だけじゃない。そこには笑いがある。絶望だけじゃない。希望がある。この映画は僕の、私の物語であると同時に、あなたの物語でもある。これはあなたの青春の物語だ。

出演:井浦新、東出昌大、芋生悠、杉田雷麟 他
監督・脚本:井上淳一

2024年製作/119分/日本
配給:若松プロダクション

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