上映作品・近日上映作品

 

『どうすればよかったか?』 上映中
3月14日(金)よりバリアフリー日本語字幕版上映

【全国で満席続出の衝撃作!分かりあえなさと共に生きる、全ての人へ】

面倒見がよく優秀な姉に統合失調症の症状が現れた
父と母は玄関に南京錠をかけ、彼女を閉じ込めた――
家族という他者との20年にわたる対話の記録

面倒見がよく、絵がうまくて優秀な8歳ちがいの姉。両親の影響から医師を志し、医学部に進学した彼女がある日突然、事実とは思えないことを叫び出した。統合失調症が疑われたが、医師で研究者でもある父と母はそれを認めず、精神科の受診から姉を遠ざけた。その判断に疑問を感じた弟の藤野知明(監督)は、両親に説得を試みるも解決には至らず、わだかまりを抱えながら実家を離れた。

このままでは何も残らない——姉が発症したと思われる日から18年後、映像制作を学んだ藤野は帰省ごとに家族の姿を記録しはじめる。一家そろっての外出や食卓の風景にカメラを向けながら両親の話に耳を傾け、姉に声をかけつづけるが、状況はますます悪化。両親は玄関に鎖と南京錠をかけて姉を閉じ込めるようになり……。

20年にわたってカメラを通して家族との対話を重ね、社会から隔たれた家の中と姉の姿を記録した本作。“どうすればよかったか?” 正解のない問いはスクリーンを越え、私たちの奥底に容赦なく響きつづける。

監督・撮影・編集:藤野知明
制作・撮影・編集:淺野由美子

2024年/101分/日本/ビスタ
配給:東風
©︎2024 動画工房ぞうしま

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『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』 上映中

【香港歴代No.1大ヒット!アクション映画史に名を刻む傑作誕生 】

第97回アカデミー賞® 国際長編映画賞の香港代表に選出され、第77回カンヌ国際映画祭での初上映から熱狂的な拍手を浴びた本作。香港公開後も話題が広がり続け、ついには香港映画として歴代No.1の動員を達成した。

舞台は伝説の「九龍城砦」——無法地帯として知られ、今は失われたその場所が、圧倒的なスケールでスクリーンに蘇る。ルイス・クー、サモ・ハンといった香港映画界のレジェンドから若手実力派までが集結し、壮絶なアクションで観客を圧倒する。そして、約10億円を投じて精密に再現された九龍城砦のセットは圧巻。息を呑むスケールと細部へのこだわりが、観る者の心を鷲掴みにする。

〈STORY〉
九龍城砦(きゅうりゅうじょうさい)――かつて無数の黒社会が野望を燃やし、覇権を争っていた。
80年代、香港へ密入国した若者、陳洛軍(チャン・ロッグワン)は、黒社会の掟に逆らったことで組織に追われ、運命に導かれるように九龍城砦へ逃げ込む。そこで住民たちに受け入れられ、絆を深めながら仲間と出会い、友情を育んでいく。やがて、九龍城砦を巻き込んだ争いが激化する中、陳洛軍たちはそれぞれの信念を胸に、命を懸けた最後の戦いに挑む――。

出演:ルイス・クー、サモ・ハン、リッチー・レン、レイモンド・ラム、フィリップ・ン
監督:ソイ・チェン アクション 監督:谷垣健治 音楽:川井憲次

2024年/125分/香港/シネマスコープ/PG12
配給:クロックワークス
©2024 Media Asia Film Production Limited Entertaining Power Co. Limited One Cool Film Production Limited Lian Ray Pictures Co., Ltd All Rights Reserved.

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『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』 上映中 3月27日(木)終了予定

【ベネチア国際映画祭 最高賞 金獅子賞 受賞! 】

色鮮やかな映像とユーモアにあふれた作品で観客を魅了してきたペドロ・アルモドバル。アカデミー賞®外国語映画賞に輝いた『オール・アバウト・マイ・マザー』(99)、アカデミー賞®脚本賞を受賞した『トーク・トゥ・ハー』(02)をはじめ映画界に偉大な足跡を残し続ける名匠が贈る最新作は、病に侵され安楽死を望む女性と彼女に寄り添う親友の最期の数日間を描く物語。75歳を超え円熟味を増したアルモドバルが、独自の感性溢れるカラフルな世界観で人生最期のかけがえのない日々を描いた最高傑作が誕生した。
本作の主演は、ウェス・アンダーソン監督作やジム・ジャームッシュ監督作の常連として知られ、『フィクサー』(07)でアカデミー助演女優賞®に輝いた女優、ティルダ・スウィントン。共演には、『アリスのままで』(14)でのアカデミー主演女優賞®に加え、世界三大映画祭すべてで女優賞を受賞したジュリアン・ムーア。ふたりのオスカー女優が親友同士を演じ、繊細で美しい友情を体現する。
また第 82 回ゴールデングローブ賞のノミネーションが発表され、主演のティルダ・スウィントンが見事ドラマ部門の主演女優賞にノミネートを果たした。本作が2回目のタッグとなるティルダ・スウィントンとペドロ・アルモドバル監督。「私たちは瞬時にお互いを理解できるのです」と話すアルモドバル監督はティルダの演技力に絶大な信頼をおいており、自身の作品の中枢を担う役を見事に勤め上げたティルダを絶賛している。

〈STORY〉
その日、あなたが隣にいてくれたならー
重い病に侵されたマーサ(ティルダ・スウィントン)は、かつての親友イングリッド(ジュリアン・ムーア)と再会し、会っていない時間を埋めるように病室で語らう日々を過ごしていた。治療を拒み自らの意志で安楽死を望むマーサは、人の気配を感じながら最期を迎えたいと願い、“その日”が来る時に隣の部屋にいてほしいとイングリッドに頼む。悩んだ末に彼女の最期に寄り添うことを決めたイングリッドは、マーサが借りた森の中の小さな家で暮らし始める。そして、マーサは「ドアを開けて寝るけれど もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にはいないー」と告げ、最期の時を迎える彼女との短い数日間が始まるのだった。

出演:ティルダ・スウィントン、ジュリアン・ムーア、ジョン・タトゥーロ、アレッサンドロ・ニボラ
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
原作:シーグリッド・ヌーネス「What Are You Going Through」

2024年/107分/スペイン/シネマスコープ
配給:ワーナー・ブラザース映画
© 2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved./© El Deseo. Photo by Iglesias Más.

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『聖なるイチジクの種』 上映中 3月27日(木)終了予定

【アカデミー賞 国際長編映画賞ノミネート!】

第77回カンヌ国際映画祭で、【審査員特別賞】を受賞した本作への12分間に及ぶスタンディングオベーションには、驚愕と感動、熱いリスペクトなど賞賛のすべてが込められていた。喝采を浴びたイラン人監督モハマド・ラスロフは、自作映画でイラン政府を批判したとして有罪判決を受けていた。まさに命を懸けて、本作を世界に問うために母国を脱し、28日間かけてカンヌにたどり着いたのだ。本作は、22年に実際に起き社会問題となった、ある若い女性の不審死に対する市民による政府抗議運動が苛烈するイランを背景に、家庭内で消えた護身銃をめぐり変貌していくある家族をダイナミックかつスリリングに描きだす。

家族の絆に綻びが生じるとき、物語は全く予測不能な方向へと加速する……。
一瞬も目が離せない167分。

〈STORY〉
国家公務に従事する一家の主・イマンは20年間にわたる勤勉さと愛国
心を買われ夢にまで見た予審判事に昇進。しかし業務は、反政府デモ逮捕者に不当な刑罰を課すための国家の下働きだった。報復の危険が付きまとうため国から家族を守る護身用の銃が支給される。

しかしある日、家庭内から銃が消えた。次第に疑いの目は、妻・ナジメ、姉のレズワン、妹・サナの3人に向けられる。誰が?何のために? 捜索が進むにつれ互いの疑心が家庭を支配する。そして家族さえ知らない疑惑が交錯するとき、物語は予想不能に壮絶に狂いだす―――。

出演:出演:ミシャク・ザラ、ソヘイラ・ゴレスターニ、マフサ・ロスタミ、セターレ・マレキ
監督・脚本:モハマド・ラスロフ『悪は存在せず』(20)

2024年/167分/フランス・ドイツ・イラン/シネマスコープ
配給:ギャガ
©Films Boutique

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『STEP OUT にーにーのニライカナイ』 上映中

【監督 堤幸彦 × 仲間由紀恵 沖縄を舞台に家族の絆を描いた感動作 】

2000年からスタートした『TRICK』シリーズや2011年の舞台「テンペスト」など、多くの作品で監督×主演を務めてきた黄金タッグ、堤幸彦監督×仲間由紀恵が約10年ぶりに監督、主演を務めた映画『STEP OUT にーにーのニライカナイ』。主演・仲間由紀恵の故郷である沖縄を舞台に、堤幸彦監督が地元出身の映画監督・平一紘を共同監督に迎え、オール沖縄ロケで撮影された本作。ダンスを通して少年の挑戦と成長、そして家族の絆を描くヒューマンドラマだ。

家計を支えるため、ホテルの清掃とスナックの仕事を掛け持ちするシングルマザー・朱音を仲間由紀恵が演じ、子どものことを大切に思いながらもうまく言葉にできない不器用な母親役で新境地を開拓している。そして、妹の面倒を見ながら、ダンサーを夢見てダンスに打ち込む朱音の息子・踊(よう)を演じるのが、沖縄で実施されたオーディションで、147人の中から選ばれた、2023年に再始動した沖縄アクターズスクール出身のSoul。踊の成長を等身大の演技で瑞々しく体現している。

また、踊を指導するダンススクールの講師を沖縄県出身の松田るか、踊にシーサーの歴史など沖縄の心を説くシーサー職人を同じく沖縄県出身の津嘉山正種が演じ、Soulと同じく沖縄アクターズスクール出身の又吉伶音が踊の妹・舞を、踊が憧れるダンサーのリサを、アソビシステムに所属する沖縄のダンス&ボーカルユニット「JUICYJUICY」の伊波れいりが演じるなど、沖縄ゆかりの実力派とフレッシュなキャストが融合している。

物語の鍵を握る音楽プロデューサーを演じるのがEXILEの橘ケンチ。そして、2024年に『夏目アラタの結婚』や『私にふさわしいホテル』など3作品が公開されるなど、精力的に作品を発表する堤幸彦監督が、仲間の故郷・沖縄ならではの自然体の表情を引き出している。

オール沖縄ロケによる、澄みきった青い海とどこまでも続く広い空の下で躍動する踊が、ダンスと出会い才能を開花させていく中で家族や地元・沖縄への思いに悩みながら成長し、ニライカナイ=理想郷を見つけ出そうとする姿に心が揺さぶられるだろう。

〈STORY〉
母親の朱音(あかね)、妹の舞(まい)と3人暮らしの照屋踊(てるやよう)は、ダンススクールのリサに憧れ、ダンスを始める。朱音は家計を支えるためスナックで働き、人との関わりが苦手な舞はスクールの前でいつも兄の姿を一心に見つめていた。やがて踊はリサとペアを組み、その才能を開花させていく。そんな中、朱音のもとに一本の電話があり、ある男が訪ねてくる。偶然、家の前でその男を目撃する踊。後日、テレビでダンスオーディションを開催すると発表した音楽プロデューサーのHIROKIが、その男だった…。
動き出す運命。憧れだったダンスパートナー、友人や地元の人々、大切な母、そして妹との繋がりの中で、踊は何を思い、何を見つけるのか…。

出演:仲間由紀恵、Soul、又吉伶音、伊波れいり、松田るか、津波竜斗、内田樹、盧礼欧、玉城敦子、城間やよい、津嘉山正種、橘ケンチ(EXILE)
監督:堤幸彦 共同監督:平一紘

2025年/96分/日本/シネマスコープ
配給:ギャガ
©「STEP OUT」製作委員会

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『エミリア・ペレス』 3月28日(金)より上映

【本年度アカデミー賞最多13ノミネート!賞レースを席巻! 】

本年度アカデミー賞®最多12部門13ノミネートを果たし、世界の賞レース席巻!今この時も各国の観客に衝撃と感動を轟かせている話題作が、ついに日本にも最大風速の嵐を巻き起こす!
出演は、ハリウッド超大作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のゾーイ・サルダナ、トランスジェンダー女優初のオスカー受賞が期待されるカルラ・ソフィア・ガスコン、全米の若者から絶大な人気を誇るセレーナ・ゴメス。女優たちの圧巻の演技がカンヌ映画祭を沸かせ、女優賞をアンサンブル受賞した。
監督は、フランスの名匠ジャック・オーディアール。かつてない世界観で破天荒なストーリーを、ジャンルを超えた感動作にまとめあげた。大注目のサンローラン プロダクション制作による、誰も観たことのない異色のミュージカル・エンターテインメント!

〈STORY〉
メキシコの麻薬王マニタスから「女性としての新たな人生を用意してほしい」という極秘の依頼を受けた弁護士のリタ。完璧な計画により、マニタスは姿を消すことに成功するも、数年後、イギリスに移住し新生活を送っていたリタの前に現れたのは、新しい存在として生きるエミリア・ペレスだった。過去と現在、罪と救済、愛と憎しみが交錯する中、運命は思わぬ方向へと大きく動き出す――。

出演:ゾーイ・サルダナ、カルラ・ソフィア・ガスコン、セレーナ・ゴメス、アドリアーナ・パス
監督・脚本:ジャック・オーディアール

制作:サンローラン プロダクション by アンソニー・ヴァカレロ

2024年/133分/フランス/シネマスコープ
配給:ギャガ
© 2024 PAGE 114 – WHY NOT PRODUCTIONS – PATHÉ FILMS – FRANCE 2 CINÉMA

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『14歳の栞』 4月4日(金)より上映

【劇場でしか観られない『大きな家』の原点 !】

中学2年生、14歳。「14歳の栞」は大人でもなく、子供でもない年齢である35人の生徒に密着し、中学3年生になる直前の3ヶ月をありのまま切り取った青春リアリティ映画です。
学校を休みがちなクラスメイトへの思い、告白の瞬間、友達に隠している秘密…など、彼らにとってかけがえのない14歳の瞬間が詰め込まれています。性格やクラスでの立ち位置など、全く違うはずなのに、彼らが語るどの言葉もどこか自分と重なり、共感してしまいます。ひとクラスに詰め込まれた35人分の物語を俯瞰するという、“誰もが通ってきたのに、まだ誰も見ることができなかった景色”を体験できる作品です。

監督は「ハロー!ブランニューワールド」を手掛けた竹林亮、企画は同作品でもタッグを組んだ栗林和明が務めます。主題歌には、ボーカルの尾崎世界観率いるクリープハイプの人気楽曲「栞」を起用。本作の着想のきっかけともなったこの曲は、“後悔を捨てて進むのではなく、後悔と共に進む”ことに光を当てた曲。子供でも大人でもない時期の、あいまいな感情の狭間で揺れる14歳の中学生たちの日常を鮮やかに彩ります。また、冒頭のナレーションはタレント・女優のYOUが務めます。

〈STORY〉
とある中学校の3学期、「2年6組」35人全員に密着し、ひとりひとりの物語を紐解いていく 青春リアリティ映画。劇的な主人公もいなければ、大きなどんでん返しもない。

学校で眠ってばかりいるのに、家ではお菓子作りに勤しんでいる男の子。
お調子者で「ウルサイ」のに、デートに行くとぜんぜん話さない男の子。
「キャラを変えたい。できれば子供からやり直したい」と嘆く、地味で無口な女の子。

そこには、非行少年も、家出少女も登場しません。 ただその誰もが、いまの私たちと同じようにわかりにくい問題にぶつかり、解決の仕方もあ いまいなままに、前へ進んでいきます。 全くの他人であるはずなのに、その1人1人にどこか自分が重なり、気づけば目が離せなく なってしまう。 あのころ私たちは、どんな人が好きで、どんな人が嫌いで、何に傷ついて、何に悩んで、何 を決意して、何を夢見ていたのか。そんな記憶と感情が、次々と溢れかえっていきます。

この映画には「誰もが通ってきたのに、まだ誰も見たことがなかった景色」があり、そして、普通の映画を観るのとは全く違う「心のタイムマシーンに乗るような体験」が待っています。すべてが慌ただしい世の中だからこそ、一度立ち止まり、いつでもあの頃の気持ちに立ち返るための「栞」をはさんでもらうための映画です。

監督:竹林亮(『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』『大きな家』)
企画・プロデュース:栗林和明

主題歌:クリープハイプ「栞」(ユニバーサル シグマ)

2021年/120分/日本/16:9
配給:パルコ
©CHOCOLATE Inc.

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『天国の日々 4K』(2K上映) 4月11日(金)より上映

【名匠テレンス・マリックの“最も美しい映画”が本来の姿で蘇る】

自然光にこだわり徹底したリアリズムで描かれた本作は、公開当時から高く評価されてきた。“マジック・アワー”と呼ばれる日没間近の柔らかい光の中で撮影するために、1日の撮影時間は日没前のわずか20分間。テレンス・マリック監督と撮影監督ネストール・アルメンドロスは「グリフィスやチャップリンの時代を思わせるような」、「屋内はフェルメールの絵画のような」と映像のイメージを共有し合った。2人の狙い通り、美しい画面づくりには成功したが、一方でその極度なこだわりのため、スケジュールや予算は予定を大きく超過。プロデューサーのバート・シュナイダーは自宅を抵当に入れたという。次回作のあったアルメンドロスは最後まで撮影監督を務めることが出来ず、途中でハスケル・ウェクスラーに引き継ぎ完成させた執念の一作。この作品に全てを注いだマリックが次回作の『シン・レッド・ライン』(98)までの20年間、1本も映画を撮らなかったことは長年にわたり映画界の伝説として語られている。 音楽は巨匠エンニオ・モリコーネ。オープニング曲はマリックの希望でサン=サーンスの「動物の謝肉祭」が使用され、モリコーネはこの曲に合うように劇中の音楽を作曲した。彼にとって初めてのアカデミー賞作曲賞ノミネート作品となり、第33回英国アカデミー賞で作曲賞を受賞。

〈STORY〉
20世紀初頭のテキサス。青年ビル(リチャード・ギア)はシカゴでトラブルを起こし、妹のリンダ(リンダ・マンズ)、ビルの恋人アビー(ブルック・アダムス)とともに広大な麦畑に流れ着く。3人は裕福な地主のチャック(サム・シェパード)のために麦刈りの仕事をすることになった。秋が近づくころチャックは不治の病に侵されていることを医師から告げられる。麦刈りの時期が終わると労働者たちはそれぞれの故郷に帰ることになっていたが、チャックはアビーを見初め周囲の反対も聞かず結婚を申し込む。自分が身を引いた方がいいと悟ったビルは一人その地を去っていく。しかし翌年彼が再びテキサスに戻ってきたことからビル、チャック、アビーの3人は思わぬ展開を迎えた。

出演:リチャード・ギア、ブルック・アダムス、リンダ・マンズ、サム・シェパード、ロバート・J・ウィルク、ステュアート・マーゴリン
監督・脚本:テレンス・マリック
音楽:エンニオ・モリコーネ

1978年/94分/アメリカ/ビスタ
配給:アンプラグド
©2025, 1978 BY PARAMOUNT PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.

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『銀幕の友』 4月11日(金)より上映

【『無名』ワン・イーボー主演!ベルリン国際映画祭正式出品】

本作は中国のインディペンデント映画祭である西寧FIRST青年映画祭とシャネルの特別プログラム「FIRST FRAME」のコラボレーションにより実現した。ともにシャネルのアンバサダーであるワン・イーボーとジョウ・シュンをW主演に迎え、第53回金馬奨作品賞受賞『八月』(16)のチャン・ダーレイ監督がメガホンを取った。舞台は1990年のアジア競技大会後の中国。ひとつのことが終わるとき、新しい出会いが訪れるもの。映画製作所で上映される映画のチケットを受付係が配り、そよ風のようにやって来た内気な詩人が誰かを待っている。どこか懐かしいにおいを漂わせる空気の中で、人々のつつましやかな暮らしが優しく語られる。

〈STORY〉
1990年10月8日、北京で開催されたアジア競技大会の閉幕の日の翌日。中国のとある地方都市にある映画製作会社の受付で働いているシャオ・ジョウは、前日に役目を終えた大会マスコットのパンパンの巨大な像の撤去作業にいそしむ作業員を横目に、今夜開催される映画上映会のチケットを取りに来る社員たちの相手をしている。そこに、旅から帰ってきたという詩人のリー・モーが、友人を訪ねてやって来る。昼休みに出た友人を待つ間、ふたりは幾ばくかの言葉を交わす。やわらかい秋風が開け放した事務所の窓を通り抜ける。日が落ちると人々が集まり始め、『大人は判ってくれない』の上映が始まる。

出演:ワン・イーボー、ジョウ・シュン
監督:チャン・ダーレイ

特別鑑賞料金:一律 1,300 円
※特別興行につき各種割引、ご招待券はご利用いただけません。予めご了承ください。

2022年/24分/中国/ビスタ
配給:彩プロ
©︎Bingchi Pictures

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『悪い夏』 4月18日(金)より上映

【朝ドラ『あんぱん』北村匠海 主演最新作! 】

第 37 回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞し「クズとワルしか出てこない」と話題を呼んだ染井為人の傑作小説がまさかの映画化。監督は田中圭、磯村勇斗、山田裕貴ら実力派の人気俳優たちを主演に迎え、数多くの傑作を作り上げてきた鬼才・城定秀夫。脚本は『ある男』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した俊英・向井康介。主人公・佐々木守を演じるのは、映画・ドラマの大ヒットが続く 北村匠海。真面目に生きるも、気弱な性格ゆえに犯罪に巻き込まれていく男の姿を渾身の力で体現す る。更に色仕掛けで佐々木を犯罪へと巻き込んでゆく育児放棄寸前のシングルマザー・愛美を演じる河合優実をはじめ、裏社会の住人で犯罪計画の首謀者・金本役に窪田正孝、正義感に燃える佐々木の同僚・宮田役に伊藤万理華、愛美に肉体関係を強要する佐々木の先輩・高野役に毎熊克哉、金本の愛人・莉華役に箭内夢菜、金本の手下でドラッグの売人・山田役に竹原ピストル、息子と2人困窮した 生活から万引きに手を染める古川佳澄役に木南晴夏など豪華俳優陣がクズを狂演!中毒者続出の極悪小説と日本映画界の旗手たちの奇跡の化学反応が、衝撃のサスペンス・エンターテインメントを生み出した。

〈STORY〉
市役所の生活福祉課に務める佐々木守(北村匠海)は「職場の先輩・高野(毎熊克哉)が生活保護受給者の女性に肉体関係を強要しているらしい」と同僚の宮田(伊藤万理華)から相談を受け、真相究明の手伝いを頼まれる。真面目で気弱な佐々木は、正義感に燃える宮田の頼みを面倒くさいと思いながらも断ることができず、その女性、育児放棄寸前のシングルマザー・愛美(河合優実)のもとを訪ねる。愛美は高野との関係を否定するが、実は裏社会の住人・金本(窪田正孝)、その愛人の莉華(箭内夢菜)、手下の山田(竹原ピ ストル)と共に、ある犯罪計画の片棒を担ごうとしていた。そうとは知らず、徐々に愛美へと惹かれてゆく佐々木。ふとしたきっかけで万引きを繰り返すようになってしまった生活困窮者・佳澄(木南晴夏)らを巻き込み、佐々木にとって悪夢のようなひと夏が始まろうとしていた…。

出演:北村匠海、河合優実、伊藤万理華、毎熊克哉、箭内夢菜、竹原ピストル、木南晴夏/窪田正孝

監督:城定秀夫 脚本:向井康介
原作:染井為人「悪い夏」(角川文庫/KADOKAWA 刊)

2025年/114分/日本/PG12
配給:クロックワークス
©︎2025 映画「悪い夏」製作委員会

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『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』 4月25日(金)より上映

【萩原利久 × 河合優実 × 監督•大九明子 × 原作•福徳秀介(ジャルジャル)

第37回東京国際映画祭コンペティション部門公式出品作品!熱狂的ファンも多いコント職人ジャルジャルの福徳秀介が2020年に小説家デビューを果たした珠玉の恋愛小説。監督は映画『勝手にふるえてろ』(17)、『私をくいとめて』(20)など、数々の話題作を手がける大九明子。主人公の冴えない毎日を送る大学生・小西徹を萩原利久、小西が恋に落ちるヒロイン・桜田花を河合優実が演じる。さらに、伊東蒼、黒崎煌代ら若き実力派俳優が勢揃いした。映画史に残る新たな最高傑作が誕生!

〈STORY〉
思い描いていた大学生活とはほど遠い、冴えない毎日を送る小西。学内唯一の友人・山根や銭湯のバイト仲間・さっちゃんとは、他愛もないことでふざけあう日々。ある日の授業終わり、お団子頭の桜田の凛々しい姿に目を奪われた。思い切って声をかけると、拍子抜けするほど偶然が重なり急速に意気投合する。会話が尽きない中、「毎日楽しいって思いたい。今日の空が一番好き、って思いたい」と桜田が何気なく口にした言葉が胸に刺さる。その言葉は、奇しくも、半年前に亡くなった大好きな祖母の言葉と同じで、桜田と出会えた喜びにひとり震える。ようやく自分を取り巻く世界を少しだけ愛せそうになった矢先、運命を変える衝撃の出来事が二人を襲うー。

出演:萩原利久、河合優実、伊東蒼、黒崎煌代、安齋肇、浅香航大、松本穂香/古田新太
監督・脚本:大九明子
原作:福徳秀介「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」(小学館刊)

2025年/127分/日本
配給:日活
©︎2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会

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『いきもののきろく』 5月2日(金)より1週間限定上映

【原案 永瀬正敏が贈る“喪失と再生の物語”がついに全国公開!】

戦争と一人の女』の舞台挨拶で監督の井上淳一とシネマスコーレを訪れた永瀬正敏は、支配人の木全純治よりとある企画の監督依頼を受ける。それは名古屋市内を流れる中川運河という今はもう使われていない運河を舞台とした短篇映画だった。奇しくも中川運河は名作『泥の河』の舞台でもあった。永瀬は「出演はするが、監督は井上さんで」と言い、永瀬主演×井上監督での製作がその場で決定した。

 すぐに訪れたロケハンで、永瀬は映画の舞台となる鉄屑工場と出会い、シャッターを切りまくる。その二日後、井上のもとに永瀬から一本のプロットが届く。それは、誰もいない街の廃工場でひとり筏を作り続ける男の話だった。そこにひとりの女が訪れる――

 井上は永瀬のプロットに、東日本大震災後のイメージをプラスし、脚本を執筆。原発事故後の誰もいなくなった世界に取り残されたような男と女の話を作り上げた。そして、黒澤明の隠れた名作『生きものの記録』と同じタイトルをつける。『生きものの記録』は度重なる原爆実験による放射能の恐怖に怯えた三船敏郎がひとり孤独に狂っていく話だ。井上は「黒澤は狂っているのは三船か、何も感じないお前らか、と観客に問うている。これは三船のその後の話だ」と同タイトルをつけた理由を語っている。また、後年、『箱男』を観た井上は「これは、『箱男』を作れなかった時代の、永瀬正敏による『箱男』ではないか」とも述べている。果たして、その真意は――

 女を演じるのは、『福田村事件』のミズモトカナコ。当時、まだ京都造形大学の学生だったミズモトは永瀬相手に一歩も引けを取らない堂々たる演技を見せている。撮影は、『極悪女王』の鍋島淳裕。過去とも未来ともつかない世紀末的風景をモノクロ映像で見事に捉えている。プロデュースは木全純治。これは『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』コンビの初タッグでもある。そして主題歌は、2023年に亡くなった「頭脳警察」のPANTA。寺山修司と高取英による詩にPANTAが曲をつけた「時代はサーカスの象にのって」がせつなく流れる。

本作は2013年に撮影。当時は47分の短篇を上映する環境になく、翌14年にシネマスコーレのみで公開。しかし、近年、『ルックバック』や黒沢清の『Chime』などのヒットにより状況が変化。24年、井上の師である若松孝二13回忌イベントで上映。そこでの絶讃を受け、ついに全国公開となる。幻の傑作が今ここに蘇る。

〈STORY〉
人っ子一人いない廃墟のような街で男は運河に流れ着いたゴミを拾い集める。
そこに現れる女。
男の日常に微かにひびが入り始める。

出演:永瀬正敏、ミズモトカナコ
監督・脚本:井上淳一

原案:永瀬正敏 主題歌:PANTA

特別鑑賞料金:一律 1,300 円
※特別興行につき各種割引、ご招待券はご利用いただけません。予めご了承ください。

5月6日(火)
柄本明さん × 井上淳一 監督
アフタートーク イベント開催予定!
詳細は近日発表いたします。

2014年/47分/日本/ビスタ
配給:ドッグシュガー
©︎シネマスコーレ/ドッグシュガー

公式サイト


『BAUS 映画から船出した映画館』 近日順次上映

【高知と東京を拠点に活動する甫木元空 監督 最新作! 】

監督を務めるのは、バンド・Bialystocksのボーカルとしても活動し、映画『はだかのゆめ』(22)では小説も出版するなど、各界で活躍する甫木元空。「吉祥寺に育てられた映画館 イノカン・MEG・バウス 吉祥寺っ子映画館三代記」(本田拓夫著/文藝春秋企画出版部発行・文藝春秋発売)を原作に青山真治が着々と温めていた脚本を、2022年3月の逝去を機に甫木元が引き継ぎ執筆した。劇中の音楽は、吉祥寺バウスシアターや青山真治とも縁深い大友良英が担当する。主演を務めるのはこれが監督とは初のタッグとなる染谷将太。映画の未来へ情熱を燃やすサネオを演じる。サネオの兄・ハジメ役には、ロックバンド銀杏BOYZの峯田和伸。そして、サネオの妻・ハマ役を夏帆が演じる。さらには、鈴木慶一、橋本愛、光石研、とよた真帆といった豪華な顔ぶれが揃い、実力派俳優たちが生命力あふれる演技で物語を彩る。映画上映だけに留まらず、演劇、音楽、落語……「おもしろいことはなんでもやる」という無謀なコンセプトを掲げ、多くの観客と作り手に愛されながら30年の歴史を築いた吉祥寺バウスシアター。2014年の閉館から遡ること約90年、1925年に吉祥寺に初めての映画館“井の頭会館”がつくられ、1951年にはバウスシアターの前身となる“ムサシノ映画劇場”が誕生していた。

「映画館」という、ささやかでいてあらゆる人々に開かれた空間。本作ではそんな唯一無二の場所を舞台に、時流に翻弄されながらも娯楽を届け続けた家族の長い道のりを辿り、現在、そしてその先へと続く希望に満ちた「あした」を描き出す。

〈STORY〉
1927年。活動写真に魅了され、「あした」を夢見て青森から上京したサネオとハジメは、ひょんなことから吉祥寺初の映画館“井の頭会館”で働き始める。
兄・ハジメは活弁士、弟・サネオは社長として奮闘。
劇場のさらなる発展を目指す二人だったが、戦争の足音がすぐそこまで迫っていた——。

出演:染谷将太、峯田和伸、夏帆
渋谷そらじ、伊藤かれん、斉藤陽一郎、川瀬陽太、井手健介、吉岡睦雄
奥野瑛太、黒田大輔、テイ龍進、新井美羽、金田静奈、松田弘子
とよた真帆、光石研、橋本愛、鈴木慶一

監督:甫木元空
脚本:青山真治、甫木元空 音楽:大友良英

2024年/116分/日本/ヨーロピアンビスタ
配給:コピアポア・フィルム/boid
©本⽥プロモーションBAUSboid

公式サイト


『鹿の国』 近日順次上映

【大ヒットで全国に上映拡大!日本最古の神社、諏訪大社に迫る】

日本列島のヘソ、諏訪盆地に位置する日本最古の神社の一つ、諏訪大社。年間200回をその超える祭礼は謎に満ちている。重要神事で降ろされる古い神・ミシャグジ。そして神事に欠かせないとされた鹿の生贄……。ネパールやチベットで生と死の文化を追ってきた監督・弘理子(ひろ・りこ)は、四季の祭礼を追ううち、そこにあるいのちの循環への原初の祈りに気づく。そして、長らく畏怖と謎に包まれてきた中世の「御室神事(みむろしんじ)」の芸能再現に挑む。厳冬の3カ月間、神域の穴倉に籠められた生き神・少年大祝(おおほうり)の前で繰り広げられた芸能とは?そして春4月、化粧を施されて出現する大祝に捧げられた75頭の鹿の首の意味とは?冬から春へ、死から再生へ。美しい四季とともに3年をかけて描き出された、現代社会を生きる私たちが忘れかけていた原初の祈りの姿。
半世紀前から諏訪に関わり、数々の映像民俗学作品を手がけてきた北村皆雄がプロデューサーを務める。語りは、声優の能登麻美子といとうせいこう。音楽を、国内外のアーティストから高く評価されている音楽家の原摩利彦が担う。

〈STORY〉
はるか昔、大地が引き裂かれることで誕生した巨大なくぼ地、諏訪盆地。
ここでは古来、鹿を贄とする祭礼が行われてきた。
それを伝えてきたのは全国に1万社ある諏訪神社の総本社、諏訪大社。
この地域の人たちにとって、鹿とはどんな存在なのか?
答えを求めて、600年前に途絶えた謎の「御室神事」の芸能を再現する。それは凍てつく冬、3ヵ月間にわたって行われていたという。半地下の穴蔵に籠って、鹿の贄を食し、豊穣を願う芸能を奉納していたのだ。
わずかな史料を手掛かりに、神事を司っていた生き神・大祝(おおほうり)、神の使いとされた少年たちの存在と、正体を明らかにする。時空を超えてよみがえったのは、穀物と動物の命を重ねる、他に類を見ないいのちへの眼差し。
春が巡り来ると、神前に75頭の鹿が捧げられた。今でも猟師は、鹿の肉を捧げに諏訪大社にやって来る。そこで手にする一枚の札――、仕留めた鹿を贄とし、それを人が食すことで鹿が生きる太古の昔から諏訪の地を支配してきた自然信仰「ミシャグジ」、そして神と仏たち。それらが盆地の中で重なり混じりあうことで形作られた独特の世界が、今もある。

監督:弘理子
語り:能登麻美子・いとうせいこう
音楽:原摩利彦

2025年/98分/日本
配給:ヴィジュアルフォークロア
©2025 Visual Folklore Inc.

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