上映作品・近日上映作品

 

『ロボット・ドリームズ』 上映中 ご好評につき1週間の上映再延長決定!
1月30日(木)終了予定

【第96回アカデミー賞®長編アニメーション映画賞ノミネート】

アニー賞、ヨーロッパ映画賞、ゴヤ賞ほか名だたる映画賞を席巻。孤独なドッグと、その元へやってきたロボットとの友情を描き、世界中の批評家と観客から愛された本作。監督を務めたのはヨーロッパを代表する名匠パブロ・ベルヘル。アニメーション映画へは初挑戦ながら、「制約のないアニメーションで、物語を描く無限の可能性を探求したかった」と語るとおり、切ないながらも温かく、観るものの心を揺さぶる類まれな傑作として結実させた。

〈STORY〉
大都会ニューヨーク。ひとりぼっちのドッグは、孤独感に押しつぶされそうになっていた。そんな物憂げな夜、ドッグはふと目にしたテレビCMに心を動かされる。数日後、ドッグの元に届けられた大きな箱――それは友達ロボットだった。セントラルパーク、エンパイアステートビル、クイーンズボロ橋……ニューヨークの名所を巡りながら、深い友情を育んでいくドッグとロボット。ふたりの世界はリズミカルに色づき、輝きを増していく。しかし、夏の終わり、海水浴を楽しんだ帰りにロボットが錆びて動けなくなり、ビーチも翌夏まで閉鎖されてしまう。離れ離れになったドッグとロボットは、再会を心待ちにしながら、それぞれの時を過ごす。やがてまた巡りくる夏。ふたりを待ち受ける結末とは―― 。

監督・脚本:パブロ・ベルヘル
原作:サラ・バロン

2023年/102分/スペイン・フランス/ビスタ
配給:クロックワークス

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『私にふさわしいホテル』 上映中 1月23日(木)終了予定

【文学史上最も不遇な新人作家の、文壇下剋上エンタテインメント!

主演 のん × 監督 堤幸彦 × 原作 柚木麻子。
新人賞を受賞したにも関わらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・相田大樹こと中島加代子(のん)。その原因は、大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)の酷評だった。文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、いつかこのホテルにふさわしい作家になりたいと夢見る加代子は、大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)の力を借り、己の実力と奇想天外な作戦で、権威としがらみだらけの文学界をのし上がっていく。
ズタボロになっても何度でも立ち上がり、成功を己の力で引き寄せていく加代子の奮闘に、手に汗を握りながらいつしか虜になっていく。驚いて、笑えて、スカッと元気をもらえる“痛快逆転サクセスストーリー”が誕生した。

加代子の大学の先輩であり、加代子の根性と作家としての可能性を認めている最大の理解者(でも時に裏切る!)であり、大手出版社のエリート編集者・遠藤役に、田中圭。加代子が出版業界で生きていけないようあの手この手で加代子を追い詰めていく因縁の相手にして出版業界を牛耳る大御所作家の東十条宗典役を滝藤賢一が演じ、加代子VS東十条の因縁対決は見どころ! その他、東十条宗典の行きつけの一流クラブのママを田中みな実、10年に一人の才能を持ち文壇の話題をかっさらう天才高校生小説家有森役を服部樹咲、東十条が唯一頭の上がらないじゃじゃ馬娘役を高石あかり、本だけを愛する超有名カリスマ書店員須藤役を、のんとは3度目の共演となる橋本愛、東十条の行きつけのクラブにお忍びで来ているトレンディー俳優役を橘ケンチ、クリスマスに遠藤が家族で宿泊するホテルの実直なホテルマン役を光石研、東十条を親身に支え貞淑な妻役を若村麻由美など実力派&超豪華な俳優陣の面々が超個性的なキャラクターを演じる! 加代子の文壇下剋上の行方はいかに!?

〈STORY〉
新人賞を受賞したにも関わらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・相田大樹こと中島加代子(のん)。その原因は、大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)の酷評だった。
名だたる文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、文豪気分に浸り原稿用紙に向かっていた加代子の元に、大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)が訪れる。遠藤から、上階に東十条がカンヅメ中だと聞かされた加代子は、「東十条の原稿が上がらなければ私にもチャンスが……」と、不遇の元凶である東十条への恨みを晴らすべく、奇想天外な作戦で執筆の邪魔をし、掲載のチャンスをつかみ取ることに成功する。

この事件から、加代子と東十条の因縁の対決が始まる!

一向に作家デビューできない加代子は東十条と戦い、自分の才能と戦い、デビューできるかと思いきや蹴落とされ、ついには味方であると思っていたはずの遠藤の裏切り・・・
「私は私の夢を叶える!」と、何度でも立ち上がり、不屈の精神と荒唐無稽な奇策で理不尽な文学界をのし上がっていく加代子。果たして、加代子の作家への道は!?

出演:のん、田中圭、滝藤賢一、田中みなみ、髙石あかり、服部樹咲/橋本愛/橘ケンチ、光石研、若村麻由美
監督:堤幸彦
原作:柚木麻子「私にふさわしいホテル」(新潮文庫)

2024年/99分/日本/ビスタ
配給:日活/KDDI

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『レッド・サン 4Kデジタルリマスター版 (2K上映) 上映中 1月23日(木)終了予定

【[追悼]アラン・ドロン 3大スター共演で送るお正月映画の金字塔!

映画創成期以来、脈々と続いてきた長い西部劇の歴史の中で、いきなり大型ハリケーン級の爆風を巻き起こしたのが、この『レッド・サン 4Kデジタルリマスター版』だ。ウェスタンにサムライを登場させるという奇抜な企画を、初代「007」シリーズの名匠テレンス・ヤングがメガホンをとり、日本映画界のレジェンド三船敏郎、アメリカン・アクションの第一人者チャールズ・ブロンソン、稀代の美貌をほこるフランス一の名優アラン・ドロンという史上最強の三大スターが豪華共演して実現させた本作。どこまでも広がる荒野、男たちの闘いと奇妙な友情、並んで大地を駆け巡る侍とカウボーイ、そしてなによりも美しき悪役ドロン、豪快で快活なブロンソン、武士道精神を体現する三船それぞれの勇姿。撮影は『美女と野獣』『ローマの休日』『ベルリン・天使の詩』のアンリ・アルカン、音楽は『アラビアのロレンス』『ドクトル・ジバゴ』をはじめとする名作曲家モーリス・ジャールが担当するなどスタッフも多彩な才能が結集、公開から50年以上経った現在も世界中の映画ファンの心を掴み続けている。アクション、ユーモア、スリル、サスペンスとエンターテイメントの醍醐味をすべて詰め込んだ規格外の大作が、元気のない日本を熱く燃えたぎらせる!

〈STORY〉
時は1870年。日米修好の任務を帯びた日本の大使一行を乗せた特別列車が、アメリカ西部の大平原を横切っていた。その列車には金貨が積み込まれており、強盗団のリンクと相棒のゴーシュは隙をついて強奪。以前からボスの地位を狙っていたゴーシュはリンクを裏切り、大使一行の宝刀まで盗んだあげく列車もろとも爆破を計った。武士の黒田重兵衛は宝刀の奪還まで7日間の猶予を与えられ、かろうじて助かったリンクを案内役にゴーシュを追跡するのだが…。

出演:三船敏郎、チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロン、ウルスラ・アンドレス
監督:テレンス・ヤング

1971年/116分/フランス・イタリア・スペイン/ビスタ
提供:マーメイドフィルム 配給:コピアポア・フィルム

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『SUPER HAPPY FOREVER』 上映中

【青春期の終わりを迎えた人々の“奇跡のような幸福なひととき”】

第67回ロカルノ国際映画祭新鋭監督コンペティション部門正式出品作『息を殺して』や、第74回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門に正式出品されたダミアン・マニヴェルとの共同監督作『泳ぎすぎた夜』など、世界が注目する五十嵐耕平監督による待望の長編最新作。
昨年、第71回サン・セバスチャン国際映画祭でプレミア上映された短編映画『水魚之交』を基に製作した本作にはダミアン・マニヴェルも共同プロデューサーとして参加し、ポストプロダクションをフランスで行うなど、日仏合作での製作が進められた。

短編に引き続き佐野役を『TOCKA [タスカー]』や『愛にイナズマ』、『浜の朝日の嘘つきどもと』での好演も光った佐野弘樹が、宮田役を『サボテンと海底』や「TOKYO VICE Season2」、濱口竜介監督『悪は存在しない』で強烈な印象を残した宮田佳典が務める。そして、今泉力哉監督『猫は逃げた』で注目を集め、近年では『走れない人の走り方』など話題作への出演が続く山本奈衣瑠が役を演じた。

本作では5年前と現在という2つの時間の中で、「青春期の終わり」を迎えた人々の奇跡のようなひとときを、さりげなくも鮮やかに記録した。

〈STORY〉
2023年8月19日、伊豆にある海辺のリゾートホテルを訪れた幼馴染の佐野と宮田。
まもなく閉館をするこのホテルでは、アンをはじめとしたベトナム人の従業員たちが、ひと足早く退職日を迎えようとしている。佐野は、5年前にここで出会い恋に落ちた妻・凪を最近亡くしたばかりだった。
妻との思い出に固執し自暴自棄になる姿を見かねて、宮田は友人として助言をするものの、あるセミナーに傾倒している宮田の言葉は佐野には届かない。
2人は少ない言葉を交わしながら、閉店した思い出のレストランや遊覧船を巡り、かつて失くした赤い帽子を探し始める。

出演:佐野弘樹、宮田佳典、山本奈衣瑠、ホアン・ヌ・クイン
監督・脚本:五十嵐耕平

2024年/94分/日本・フランス/ビスタ
配給:コピアポア・フィルム

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『くすぶりの狂騒曲』 1月24日(金)より上映

【高知出身、和田正人さん主演最新作!】

2014年「大宮ラクーンよしもと劇場」オープンに合わせて、東京の劇場でくすぶり続けていた「マヂカルラブリー」「GAG少年楽団」「タモンズ」などの芸人たちが集められた。「島流し」と揶揄されながらも、大宮を盛り上げるためにユニット「大宮セブン」を結成。当初は劇場にお客さんが全く入らず、ほぼ無観客ライブの毎日だった。そのため、「大宮セブン」のメンバーたちは自ら煙の中での営業、雨の中傘をさしての営業、ただのカレー屋でほぼ外国人の中での営業など東京では考えられない数々の修羅場をくぐって、今では多くのメンバーは数々の賞レースで結果を残し、テレビでも活躍。そんな「大宮セブン」の初期メンバーでありながら、仲間の活躍を横目に、飛躍のきっかけを掴めない状況に葛藤するタモンズを中心に成功を夢見る芸人たちの軌跡をたどる大人たちの青春群像劇が誕生した。
本作の中心となる芸人コンビ・タモンズを演じるのは舞台「駆けぬける風のように」で文化庁芸術祭 演劇部門「新人賞」受賞し、TBS金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』など数々のドラマ、映画で活躍する和田正人がツッコミの大波康平を演じ、一方、ボケの安部浩章は入江悠監督の出世作である映画『SR サイタマノラッパー』で主演を務め、その後も吉田恵輔、行定勲、犬童一心、藤井道人など数々の名監督の作品に出演する駒木根隆介が演じる。他にもチュートリアルの徳井義実、岡田義徳など実力派俳優が参加。
歳を取るにつれて抱いていた夢を諦めたり、今の人生に無理やり納得をしたりしていませんか?本当に自分がやりたかった事がやれていますか?夢を抱いて輝いていた昔を懐かしく振り返ってばかりいませんか?何か一つでも当てはまった人へ贈る人生応援ムービー、それが映画「くすぶりの狂騒曲」です。

〈STORY〉
「大宮セブン」が活動する大宮ラクーンよしもと劇場は少ない客、会社からの非難や悪口などなどお世辞にもその扱いは良いものとは言えなかった。追い打ちをかけるようにコロナ禍により劇場などの活動が停止し、収入低下などにより彼らの不安や状況は悪化の一過を辿っていた。
そんな中、「大宮セブン」メンバーの「すゑひろがりず」がM-1グランプリで決勝進出をはたし、YouTubeでの活動から人気を得て大宮セブンの活動にも変化の兆しが見え始める。さらに続くようにR-1でのマヂカルラブリー野田の優勝、M-1グランプリでマジカルラブリーが優勝を果たし一気に大宮に注目が集まる。メンバーも各賞レースで結果を残し、大宮セブンの躍進が始まる。しかし初期メンバーであるタモンズは仲間の活躍を横目に、飛躍のきっかけを掴めないまま、手掛かりを掴もうともがき苦しんでいた。現状を打開するためにコンビ名を改名したり、果てには新たにメンバーを追加してトリオになろうとしたり、明確な指針もないまま迷走を始める。
そんな彼らの様子を間近で見ていた大宮セブンのメンバーは夜中に相談に乗ったり、自身の問題と重ねたりしながらタモンズを何とか支えるのであった。メンバー間の友情、応援などを経てタモンズは芸人を目指した時の純粋な気持ちを思い出し、ラストイヤーのM-1へ最後の挑戦に挑むのであった。

出演:和田正人、駒木根隆介、辻凪子、土屋佑壱、永瀬未留、徳井義実(チュートリアル)/岡田義徳
監督:立川晋輔

2024年/107分/日本/シネマスコープ
配給:イオンエンターテイメント、吉本興業

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『キノ・ライカ 小さな町の映画館』 1月24日(金)〜2月6日(木)
2週間限定上映

【名匠アキ・カウリスマキの映画館キノ・ライカへようこそ】

1983年、初の長編劇映画監督作『罪と罰』がフィンランド国内で評価される。1986年の『パラダイスの夕暮れ』が東京国際映画祭やカンヌ国際映画祭に出品され、国際的に注目を集めた。そして1990年に『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』が世界中でヒット。また2017年に引退を宣言したが、引退宣言を事実上撤回、復帰作にして最新作『枯れ葉』(2023年)も記憶に新しいフィンランドを代表する映画監督アキ・カウリスマキ。
彼は作家で詩人のミカ・ラッティと共に2021 年 10 月 8 日にキノ・ライカを開館。
ワインバーや川沿いのテラスを併設し、毎月コンサートを開催しているほか展覧会なども行うなど、街の複合文化施設としての役割も担っている。

北欧フィンランドの鉄鋼の町カルッキラ。深い森と湖と、今は使われなくなった鋳物工場しかなかった小さなその町に、はじめての映画館「キノ・ライカ」がまもなく誕生する。自らの手で椅子を取りつけ、スクリーンを張るのは映画監督のアキ・カウリスマキと仲間たち。
キャデラックにバイク、ビールと音楽。まるでカウリスマキの映画から抜けでたような町で、住人たちは映画館への期待に胸をふくらませ、口々に映画について話しだす…。
これは豊かな自然のなかで芸術を愛して暮らす人々の、映画とカルッキラという町への想いをめぐる物語。そこにはカウリスマキの理想の映画館「キノ・ライカ」が町にもたらした変化の兆しと、これからの映画館の可能性がとらえられている。カウリスマキ作品でおなじみの俳優やスタッフ、そして盟友ジム・ジャームッシュも登場する、映画愛にあふれたカウリスマキからのプレゼント。

出演:アキ・カウリスマキ、ミカ・ラッティ、カルッキラの住人たち、ジム・ジャームッシュ
監督・脚本・撮影・編集:ヴェリコ・ヴィダク/脚本:エマニュエル・フェルチェ

2023 年/81 分/フランス・フィンランド/2.00:1
配給:ユーロスペース

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『映画を愛する君へ』 1月31日(金)より上映

【アルノー・デプレシャン監督最新作!映画愛に溢れたシネマエッセイ】

19世紀末に誕生してから現在に至るまでの映画の魅力と魔法を語り尽くす、映画への深い愛と映画館への賛美に満ち溢れたシネマ・エッセイ。デプレシャン監督は、『キングス&クイーン』(04)や『クリスマス・ストーリー』(08)などで、数々の映画賞にノミネートされ、日本の映画ファンからも人気高い名匠。本作も、第77回カンヌ国際映画祭で特別上映され、最優秀ドキュメンタリー賞にあたるゴールデン・アイ賞にノミネートされた。映画ファンから絶賛の声が上がった話題作。
デプレシャン監督の過去作『そして僕は恋をする』(96)や『あの頃エッフェル塔の下で』(15)でマチュー・アマルリックが演じる主人公ポール・デュダリスに、監督自身を投影した自伝的映画になっている。初めて映画館を訪れた幼少期、映画部で上映会を企画した学生時代、評論家から映画監督への転身を決意した成人期を、映画史と共に描く。マチュー・アマルリックは本人役として出演。祖母役をジャン・ユスターシュ監督の傑作『ママと娼婦』(73)で知られるフランソワーズ・ルブランが、14歳のポール役を『落下の解剖学』(23)の視覚障害のある息子役で注目を浴びたミロ・マシャド・グラネールが演じている。

本編には、映画史に功績を残した50本以上の名作が登場。リュミエール兄弟による映画の発明から、アベル・ガンスの『ナポレオン』(27)、フランク・キャプラ『或る夜の出来事』(34)、アルフレッド・ヒッチコック『北北西に進路を取れ』(59)、黒澤明『乱』(85)、クロード・ランズマン『SHOAHショア』(85)、ジェームズ・キャメロン『ターミネーター2』(91)、『ノッティングヒルの恋人』(99)など、世界中の様々なジャンルの映画が洪水のようにスクリーンを駆け巡る。そのほか、フランソワ・トリュフォー、ジャン=リュック・ゴダール、イングマール・ベルイマンらの映画も登場。デプレシャン監督が尊敬するアメリカの哲学者スタンリー・カヴェルやフランスの批評家アンドレ・バザンの言葉も借りながら、“映画とは何か”に迫る。

さらに、ドラマとドキュメンタリーを融合したハイブリッドな構成で綴られる。フィクションのシーンには、一般の観客が映画体験エピソードを語るインタビューシーンが挟まれる。「本作の主題は“私たち”映画の観客」と監督が語るように、観客の視点で映画愛が描かれる。シネ・ヌーヴォ(大阪)やアンスティチュ・フランセ(東京)など、日本の映画館の登場も見逃せない。映画は私たちの人生にどれほどの影響をもたらすのか——。デプレシャン監督が贈る映画と映画館へのラブレターを、ぜひ映画館で受け取って欲しい。

出演:ルイ・バーマン、クレマン・エルヴュー=レジェ、フランソワーズ・ルブラン、ミロ・マシャド・グラネール、サム・シェムール、ミシャ・レスコー、ショシャナ・フェルマン、ケント・ジョーンズ、サリフ・シセ、マチュー・アマルリック
監督・脚本:アルノー・デプレシャン

2024 年/88分/フランス/シネマスコープ
配給:アンプラグド


『大人は判ってくれない 4Kデジタルリマスター版(2K上映)
1月31日(金)〜2月13日(木)
【『映画を愛する君へ』上映記念 】2週間限定上映

【フランソワ・トリュフォーの自伝的デビュー作を2週間限定上映!】

同時上映の『映画を愛する君へ』で印象的に引用される本作『大人は判ってくれない』は、ジャン=リュック・ゴダール監督などと共に「ヌーヴェルバーグの旗手」として世界に知られる監督、フランソワ・トリュフォーが1959年に発表した長編デビュー作。

12歳の少年アントワーヌ・ドワネルを主人公に描いた自伝的要素の強い作品は、第12回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞し、本作の後もジャン=ピエール・レオー演じる主人公アントワーヌの成長を20年にわたって撮り続け、シリーズ5作目まで制作された。

〈STORY〉
少年アントワーヌにとって毎日は苦痛の連続。
学校では教師からの叱責が絶えず、家庭では両親の口論が絶えず、息の詰まる毎日を送っていた。
そんな彼の唯一の逃げ場は映画館であった。
ある日の登校中、親友ルネと学校をサボり遊んでいると、街中で母親が見知らぬ男と抱き合う姿を目撃し、視線が合う。翌朝、前日の欠席理由を教師に追求されたアントワーヌは咄嗟に、「母親が死んだ。」と嘘をつくが……。

出演:ジャン=ピエール・レオー、クレール・モーリエ、アルベール・レミー、ギー・ドコンブル、パトリック・オーフェー、ジョルジュ・フラマン
監督・脚本:フランソワ・トリュフォー

1959 年/99分/フランス/シネマスコープ/PG12
配給:KADOKAWA


※『大人は判ってくれない』のみ上映


『大きな家』 2月7日(金)より上映

【『14歳の栞』『MONDAYS』監督・竹林亮 × 企画・齊藤工 】

東京のとある児童養護施設。ここで暮らす子どもたちは、死別・病気・虐待・経済的問題など、さまざまな事情によって親と離れて暮らしています。「大きな家」は、そんな子どもたちの葛藤をありのまま切り取った、成長リアリティ映画です。これまで社会で注目されづらかった児童養護施設に真正面からカメラを向け、透明化されてきた子どもたちの心の内を描いています。

親と離れて暮らす子どもたちは、何を想い、何に悩み、どうやって大人になっていくのでしょうか。「大きな家」では、それぞれの子どもの物語を7歳、11歳、14歳…と年齢順に見せ、ひとりひとりに焦点を当てていき、成長の過程を追っていきます。両親やきょうだいへの想いや、生活を身近で支える職員との関係性、学校の友だちとの距離感、将来施設から出たあとの暮らしなど、年齢を重ねるごとに葛藤は変化していくことが明らかになっていきます。

監督は、中学2年生1クラス35人全員に密着した青春リアリティ映画『14歳の栞』(2021)や、社員全員がタイムループする劇映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』(2022)で 注目を浴びた竹林亮。『14歳の栞』で見出された、些細で忘れてしまいそうな瞬間を切り取る才能が、本作でも開花しました。また『MONDAYS』では、日本映画批評家大賞で新人監督賞・編集賞を受賞。『大きな家』はストイックなドキュメンタリー性も持ちながら、自身の構成・編集力を活かし、児童養護施設という難しいテーマを描いた作品です。

企画・プロデュースを担ったのは、齊藤工。俳優として第一線を走る傍ら、映画監督やプロデューサーとしても活動しています。竹林監督とは旧知の仲で、『14歳の栞』をきっかけに、児童養護施設の映画化に踏み切りました。本作に向けて、齊藤工は「私は、この作品を作るためにずっと映画に関わってきたのかもしれない。そんな、自分の理由になるくらいの作品ができました。」とコメントしています。

配信やパッケージ化は予定しておりませんので、ぜひ劇場でご覧ください。

〈STORY〉
東京のとある児童養護施設。ここでは、死別・病気・虐待・経済的問題など、さまざまな事情で親と離れて暮らす子どもたちと職員が日々を過ごしています。家族とも他人とも言い切れない、そんなつながりの中で育つ子どもたちの本音と、彼らを支える眼差しに密着しました。
生きることへの不安。うまく築けない人間関係。変えられないものと、ともに生きていくということ。ここに映っているのは、特別なものではなく、葛藤しながらもたしかに大人になっていく姿と、それを包んでいる、いつか忘れてしまうような日常の景色です。
この映画を観終わったあとは、彼らだけでなく自分が歩んできた道のりをきっと肯定したくなる。そして、あなたの“ふつう”が少しだけ広がり、明日をまた生きていく勇気をもらえる123分です。

監督・編集:竹林亮
企画・プロデュース:齊藤工

2024年/123分/日本/16:9
配給:パルコ

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『満ち足りた家族』 2月14日(金)より上映

【主演 ソル・ギョング&チャン・ドンゴン × 監督 名匠ホ・ジノ 】

弁護士の兄と医者の弟。それぞれに美しい妻を持ち、高校生の娘・息子を育て、何不自由ない満ち足りた生活を送っていた。
だがある日突然、2人は子供たちに関する恐るべき秘密に直面し、家族の運命が狂いはじめる。

監督は、『八月のクリスマス』で商業長編監督デビューするなり韓国映画ニューウェイブの始まりをいち早く世界に告げたホ・ジノ。その演出力への絶大な信頼から数多の俳優たちが出演を嘱望してきたホ・ジノの最新作『満ち足りた家族』では、家族間の親密な描写を細やかに積み重ねながら、人間の心理の奥底に潜む淀みや揺れ動きを緻密に、衝撃的に描きあげた。
キャストにソル・ギョング、チャン・ドンゴン、キム・ヒエ、クローディア・キムら韓国映画界を代表する名優が揃い、ホ・ジノならではの細やかで陰影に富む心理描写をさらに究め、自身の最高峰とも呼ぶべき傑作に結実させた。
2023年秋のトロント国際映画祭でワールドプレミアされた『満ち足りた家族』は、その好評が瞬く間に伝わり、以後2024年秋までの約1年間で20前後の映画祭に入選するという快挙も達成。
完璧な美学を築き上げたホ・ジノという才能に世界中から熱い視線が注がれている。

〈STORY〉
兄ジェワン(ソル・ギョング)は、道徳よりも物質的な利益を優先して生きてきた弁護士だ。仕事のためなら、殺人犯の弁護でさえも厭わない。年下の2人目の妻ジス(クローディア・キム)や10代の娘らと共に豪華マンションに住み、家事は家政婦がこなす誰もがうらやむ暮らしだ。
一方、小児科医として働くジェギュ(チャン・ドンゴン)は、どんな時にも道徳的で良心的であることを信念に生きてきた。年長の妻ヨンギョン(キム・ヒエ)と10代の息子と共に住む彼は、老いて認知症気味になった母の介護にも献身的に当たり、品行方正な日々を送る。
まったく相容れない信念に基づいて生きてきた兄弟。
しかし2人は、それぞれの妻を伴って月に1回、高級レストランの個室に集い、ディナーを共にする。
レストランではお得意様であるジェワン夫妻が常に優先され、兄弟家族同士の会話はどこかぎこちない。
ディナーが行われた夜、時を同じくある事件が起こり、満ち足りた日々を送る家族が想像だにしなかった衝撃の結末を招き寄せる―。

出演:ソル・ギョング、チャン・ドンゴン、キム・ヒエ、クローディア・キム
監督:ホ・ジノ

2024年/109分/韓国/シネマスコープ/PG12
配給:日活/KDDI

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『どうすればよかったか?』 近日順次上映

【全国で満席続出の衝撃作! 分かりあえなさと共に生きる、全ての人へ】

面倒見がよく優秀な姉に統合失調症の症状が現れた
父と母は玄関に南京錠をかけ、彼女を閉じ込めた――
家族という他者との20年にわたる対話の記録

面倒見がよく、絵がうまくて優秀な8歳ちがいの姉。両親の影響から医師を志し、医学部に進学した彼女がある日突然、事実とは思えないことを叫び出した。統合失調症が疑われたが、医師で研究者でもある父と母はそれを認めず、精神科の受診から姉を遠ざけた。その判断に疑問を感じた弟の藤野知明(監督)は、両親に説得を試みるも解決には至らず、わだかまりを抱えながら実家を離れた。

このままでは何も残らない——姉が発症したと思われる日から18年後、映像制作を学んだ藤野は帰省ごとに家族の姿を記録しはじめる。一家そろっての外出や食卓の風景にカメラを向けながら両親の話に耳を傾け、姉に声をかけつづけるが、状況はますます悪化。両親は玄関に鎖と南京錠をかけて姉を閉じ込めるようになり……。

20年にわたってカメラを通して家族との対話を重ね、社会から隔たれた家の中と姉の姿を記録した本作。“どうすればよかったか?” 正解のない問いはスクリーンを越え、私たちの奥底に容赦なく響きつづける。

監督・撮影・編集:藤野知明
制作・撮影・編集:淺野由美子

2024年/101分/日本/ビスタ
配給:東風

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『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』 4月25日(金)より上映

【萩原利久 × 河合優実 × 監督•大九明子 × 原作•福徳秀介(ジャルジャル)

第37回東京国際映画祭コンペティション部門公式出品作品!熱狂的ファンも多いコント職人ジャルジャルの福徳秀介が2020年に小説家デビューを果たした珠玉の恋愛小説。監督は映画『勝手にふるえてろ』(17)、『私をくいとめて』(20)など、数々の話題作を手がける大九明子。主人公の冴えない毎日を送る大学生・小西徹を萩原利久、小西が恋に落ちるヒロイン・桜田花を河合優実が演じる。さらに、伊東蒼、黒崎煌代ら若き実力派俳優が勢揃いした。映画史に残る新たな最高傑作が誕生!

〈STORY〉
思い描いていた大学生活とはほど遠い、冴えない毎日を送る小西。学内唯一の友人・山根や銭湯のバイト仲間・さっちゃんとは、他愛もないことでふざけあう日々。ある日の授業終わり、お団子頭の桜田の凛々しい姿に目を奪われた。思い切って声をかけると、拍子抜けするほど偶然が重なり急速に意気投合する。会話が尽きない中、「毎日楽しいって思いたい。今日の空が一番好き、って思いたい」と桜田が何気なく口にした言葉が胸に刺さる。その言葉は、奇しくも、半年前に亡くなった大好きな祖母の言葉と同じで、桜田と出会えた喜びにひとり震える。ようやく自分を取り巻く世界を少しだけ愛せそうになった矢先、運命を変える衝撃の出来事が二人を襲うー。

出演:萩原利久、河合優実、伊東蒼、黒崎煌代、安齋肇、浅香航大、松本穂香/古田新太
監督・脚本:大九明子
原作:福徳秀介「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」(小学館刊)

2025年/127分/日本
配給:日活

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